解説
契約について紛争が生じた場合、昨今においては、裁判以外にも仲裁や調停という選択肢があります。仲裁は、裁判手続きと比較すると、手続きが迅速であること、手続が非公開で行われること、柔軟な解決が期待できる等のメリットがあります。一方で、法律・判例に則った解決が行われない可能性があること、保全処分等の暫定的救済を得ることができない場合があること等は、裁判手続きと比較した場合におけるデメリットといえます。
本条項では、どの仲裁機関を選択するのか、どの手続法によって手続きを進めるのか、仲裁人をどのような方法で選択するのか、使用言語をどうするのか等、仲裁手続きに係る主要な事項を規定します。
例文:必要最小限の内容を含む例文(国際商業会議所の規則を適用する場合)
All disputes, controversies or differences which may arise between the parties hereto in relation this Agreement shall be settled by an arbitration held in Tokyo pursuant to the rules of ICC in English. Judgment upon the arbitral award may be entered in any court having jurisdiction over the parties or their assets. No Party shall take any dispute or claim subject to arbitration hereunder to any court until any arbitration decision has been made, except that any Party shall have the right to institute any legal action for provisional relief pending final settlements by arbitration.
【和訳】本契約に関連して当事者間で生じた全ての紛争、論争または相違は、ICCの規則に従い、東京で開催される英語の仲裁によって解決されるものとする。仲裁判断は、当事者またはその資産を管轄する裁判所で行うことができる。いずれの当事者も、仲裁の裁定が下されるまでは、本契約に基づく仲裁の対象となる紛争または請求を裁判所に提訴してはならない。ただし、いずれの当事者も、仲裁による最終的な和解が行われるまでの間、暫定的な救済のための訴訟を提起する権利を有する。
例文:仲裁に関して必要最小限の内容を含む例文(国際商業会議所の規則を適用する場合)
All disputes, controversies or differences which may arise between the parties hereto in relation this Agreement shall be settled by an arbitration held in Tokyo pursuant to the rules of ICC in English. Judgment upon the arbitral award may be entered in any court having jurisdiction over the parties or their assets. No Party shall take any dispute or claim subject to arbitration hereunder to any court until any arbitration decision has been made, except that any Party shall have the right to institute any legal action for provisional relief pending final settlements by arbitration.
【和訳】本契約に関連して当事者間で生じた全ての紛争、論争または相違は、ICCの規則に従い、東京で開催される英語の仲裁によって解決されるものとする。仲裁判断は、当事者またはその資産を管轄する裁判所で行うことができる。いずれの当事者も、仲裁の裁定が下されるまでは、本契約に基づく仲裁の対象となる紛争または請求を裁判所に提訴してはならない。ただし、いずれの当事者も、仲裁による最終的な和解が行われるまでの間、暫定的な救済のための訴訟を提起する権利を有する。